全39拠点の車両管理を全面委託で、25%以上の効率アップを実感
さらなる業務改善とコスト削減を視野に、車両情報のトータルな可視化を目指す
ジャパンエレベーターサービス株式会社(以下、JES)は、ビジネスの成長に比例して増える車両を効率的に管理し、社内の業務負荷をおさえるために、オートビジネスサービス(以下、ABS)の車両管理アウトソーシングサービスを活用しています。車両の購入からリース会社との折衝、車検時の工場の手配、経費管理、ガソリンカード管理、ETCカード管理など、車両管理にかかわる業務の大半をアウトソースしたことで、全39拠点の車両管理業務の大幅な効率化が達成されました。
ビジネスの成長は、増車とイコール
車両管理業務が回らなくなる前に、アウトソーシングで先手を打つ
JESは、エレベーターやエスカレーターの定期点検や保守・メンテナンス、法定検査を事業の柱とし、エレベーターのリニューアル事業も積極的に展開する企業です。最大の強みは、独立系のメンテナンス事業者として、「ステップ24」と呼ばれる独自の研修制度を整え、主要メーカーの各機種に対応できる優秀なスタッフを育成できること。メーカーの純正部品を主に使用することや、24時間365日対応のサポートセンター設置など、適正な価格と安心感によって契約者様に信頼され、ビジネスは大きく成長し、現在、首都圏を中心に約2万3,000基の保守・メンテナンスを手掛けるほか、北海道、中部へも展開しています。
同社でメンテナンス業務に携わるスタッフは、機材や部品を積んだ社用車を使って1日に複数の建物を回ります。2006年1月ごろ、ビジネスの成長に伴って、ひとつの課題が浮上してきました。当時の車両数は全国で60程度。車両管理業務は社内でこなせる規模でしたが、支店網を拡充し、スタッフを増員する中で、社用車の数が急増することが見込まれたのです。
同社 管理本部 総務人事部 課長 高橋 誠治氏は、「車両管理にはかなりの手間がかかります。購入時の価格交渉から、複数のリース会社に対する見積依頼、3カ月ごとに行う定期点検の連絡など、社内/社外で多くの調整作業が発生するのです。当時でぎりぎりでしたから、車両数が増えると業務が回らなくなることは明らかでした」と話します。
そこで、車両管理業務をアウトソースすることの検討が行われました。すべて社内でこなすとなると、車両数の増加と共に人員を増やす必要が出てきます。車両管理のスペシャリストという職種は極めて特殊で、優れた人材を探すことは困難でした。一方、アウトソーシングなら、車両が増えても社内の業務負担は微増にとどまることが予測され、車両数=ビジネス規模にコストがほぼ比例するため、リスクの少ない投資になると判断されました。
アウトソーサーでありながら、まるで同僚のよう
「おつかれさま」とあいさつしてしまう人間関係が出来上がる
2006年3月、同社はABSの車両管理アウトソーシングサービスの利用を開始しました。ABSの豊富な実績と、それに裏打ちされた信頼性、そして車両管理のスペシャリストとしてのベストプラクティスを取り入られると判断したことが、選定の決め手です。
その後、JESのビジネスは予想以上の成長を見せました。現在、JESがABSにアウトソースしているのは、全39拠点に配備されている車両160台の管理業務です。購入時には、自動車ディーラーとの価格交渉、納車のスケジュール管理、発注、リース会社との契約といった業務が発生します。社用車として現場で利用されるようになると、保険付保業務、車検・点検時の工場の手配、税金の支払い、ガソリン・ETCカード料金の集計を含む経費管理など、細かな業務が出てきます。それらすべての業務を、ABSが引き受けていることになります。
アウトソースしたことによって、車検・定期点検の案内やメンテナンス状況の報告など、社内だけでやるとつい後回しになってしまっていた業務が最適なタイミングで行われるようになり、担当者は点検を滞りなく実施して車両の故障リスクを最小限に抑えられるようになりました。
また、時間と手間をかけていた外部業者との交渉や調整をプロフェッショナルに一任した結果は、車両購入費用やリース料金の削減という目に見える数字として表れました。一括アウトソーシングしたABSが、コスト面でディーラーやリース会社に対する牽制役になることにも気付かされました。リース会社と直接やり取りするのではなく、アウトソーシング会社に業務を委託することで公平性が保たれ、第三者としての立場から全体を見られるようになったのです。
高橋氏は、「ABSの方には、 同僚と話すように、つい“おつかれさま”とあいさつしてしまいます。常に心地よい距離感で接してくれて、素早い対応と手厚いサポートを提供してくれる、弊社にとってなくてはならない存在です。定量的な効果を測定したわけではありませんが、25%以上の効率アップを十分に達成できていると確信しています」と話してくれました。
JESは、さらなる車両管理業務の効率化とコスト削減を達成する新たな展開を検討しています。それは、ABSが2013年4月より提供を開始するオプションサービスの※ABS-Web(仮称)の活用です。ABS-Webを利用すると、現在、ABSが提供している車両管理アウトソーシングサービスと共に、クラウドを使ったITの仕組みによる強力な車両情報データベースを活用できるようになります。
「ABS-Webは、本来なら私たちが整備しなければならないものかもしれません。車両にかかわるすべての情報が一元化/可視化できることは大きな魅力です。車両管理業務をさらに高度化するために、活用を検討しています」(高橋氏)